2025年4月21日に京王電鉄はグループ企業である啓文堂書店を紀伊国屋書店に譲渡することを発表しました。
京王線や京王井の頭線、京王相模原線ユーザーにとって馴染み深い本屋ですが、啓文堂書店の店名変更など、大きな変化がありそうです。
啓文堂書店を紀伊国屋書店に譲渡
2025年4月21日に京王電鉄は傘下の本屋「啓文堂書店」を紀伊国屋書店に譲渡することをプレスリリースで発表しました。
京王電鉄株式会社と株式会社紀伊國屋書店による、 京王書籍販売株式会社の株式譲渡契約締結について(京王電鉄)
啓文堂書店を運営している子会社の京王書籍販売株式会社の全株式を、紀伊国屋書店を運営する株式会社紀伊国屋書店に譲渡するとのことです。
プレスリリースによると、啓文堂書店の発展と地域社会への貢献のために更なる成長を目指して、譲渡に至ったとのことでした。
実際に紀伊国屋書店に啓文堂書店が譲渡されるのは2025年6月30日と、約2ヶ月後の予定です。
なお、紀伊国屋書店が京王電鉄に支払ったであろう啓文堂書店の譲渡金額については非公表となっています。
商号・屋号は順次変更予定
プレスリリースの発表内容で多くのSNSユーザーが驚いているポイントが、商号・屋号の変更です。
プレスリリースの中で「商号および屋号については、今後、順次変更する予定です。」と記載があります。
商号・屋号というのはお店の名前を指すことから、啓文堂書店という店舗名から紀伊国屋書店に変更されることを意味します。
その点から啓文堂書店は看板が付け替えられて名前として消滅する可能性が高いです。
啓文堂書店は東京中心に20店舗を展開
啓文堂書店は2025年4月現在、東京を中心に20店舗を展開しています。
啓文堂書店20店舗の一覧は以下の通りです。
- 下高井戸店(京王線・下高井戸駅)
- 桜上水店(京王線・桜上水駅)
- 八幡山店(京王線・八幡山駅)
- 仙川店(京王線・仙川駅)
- つつじヶ丘店(京王線・つつじヶ丘駅)
- 府中本店(京王線・府中駅)
- 高幡店(京王線・高幡不動駅)
- 高尾店(京王線・高尾駅)
- 渋谷店(京王井の頭線・渋谷駅)
- 永福町店(京王井の頭線・永福町駅)
- 久我山店(京王井の頭線・久我山駅)
- 吉祥寺店(京王井の頭線・吉祥寺駅)
- 稲田堤店(京王相模原線・京王稲田堤駅)
- 多摩センター店(京王相模原線・京王多摩センター駅)
- 橋本駅店(京王相模原線・橋本駅)
- 荻窪店(JR中央線・荻窪駅)
- 三鷹店(JR中央線・三鷹駅)
- 狛江店(小田急線・狛江駅)
- 鶴川店(小田急線・鶴川駅)
- 小田急相模原店(小田急線・小田急相模原駅)
啓文堂書店の稲田堤店と橋本駅店と小田急相模原店の3店舗のみ神奈川県にあります。
商号・屋号の変更に伴い、これらの店舗が啓文堂書店ではなくなる形です。
京王相模原線の啓文堂書店は3店舗
なお、京王相模原線沿線にある啓文堂書店は、以下3店舗です。
- 稲田堤店
- 多摩センター店
- 橋本駅店
いずれも最寄り駅に直結した好立地に店舗を構えており、改札を出て雨等に濡れることなくアクセスできます。
今回の譲渡によってこれらの店舗も紀伊国屋書店になると見込まれます。
ちなみに啓文堂書店を運営している京王書籍販売株式会社の本社は、多摩センター駅が最寄りです。
多摩センター店はピューロランドがある関係でハローキティやポムポムプリンの巨大ぬいぐるみが展示されています。
特色ある啓文堂書店・多摩センター店がどうなるか気になるポイントの1つです。
啓文堂書店・南大沢店は2021年に閉店
なお、かつては南大沢にも啓文堂書店はありました。
南大沢駅に直結したフレンテ南大沢3階で啓文堂書店・南大沢店が営業していました。
しかし、2021年2月に閉店してしまいました。
南大沢はその後2025年2月に蔦屋書店フレンテ南大沢店も閉店を迎え、南大沢駅にある本屋は文教堂1店舗のみの状況です。

同じ駅で紀伊国屋書店と重複する啓文堂書店は?
同じ最寄駅で紀伊国屋書店と重複している啓文堂書店はどれぐらいあるのでしょうか。
調べたところ、重複は吉祥寺店の1店舗のみでした。
京王線では新宿駅や笹塚駅などに紀伊国屋書店がありますが、これらの駅には啓文堂書店はありません。
過去には存在していたものの、すでに閉店を迎えています。
そのため、現時点では啓文堂書店と紀伊国屋書店が競合関係となっているエリアは吉祥寺のみです。
また、啓文堂書店吉祥寺店は駅直結のキラリナにあるのに対し、紀伊国屋書店吉祥寺店は東急百貨店と店舗が離れているため、商圏が完全に重なっているわけではありません。
啓文堂書店の店舗整理の可能性大
ただ、紀伊国屋書店に啓文堂書店が譲渡されることで、啓文堂書店の店舗整理される可能性が高いです。
京王電鉄においては、鉄道会社による都市開発の視点で本屋の運営が行われてきました。
おそらく赤字の店舗もあったと思いますが、鉄道利用の観点で営業を続けている店もあったと推測されます。
しかし、書店専門の紀伊国屋書店の配下となることで、書店としての収益性が重要となってきます。
黒字の店舗は存続する可能性は高いですが、不採算の啓文堂書店は店舗整理によって閉店する可能性もありそうです。
2025年6月30日に紀伊国屋書店の傘下になったあと、啓文堂書店の動向には注目です。
まとめ
今回、京王電鉄グループが運営している本屋「啓文堂書店」が2025年6月30日に紀伊国屋書店に譲渡されることを紹介しました。
4月21日付のプレスリリースで、啓文堂書店を運営する京王書籍販売株式会社の全株式を、株式会社紀伊国屋書店に譲渡することを発表しています。
啓文堂書店は2010年以降閉店を進めている中で、京王線沿線の店舗が少なくなっており、京王相模原線では南大沢店も2021年に閉店しています。
2025年4月時点で京王相模原線の店舗は稲田堤店、多摩センター店、橋本店の3店舗のみでした。
今後、譲渡が完了すると、啓文堂書店の名前が消滅する予定となっています。
また店舗の整理も進むことから、啓文堂書店の20店舗がどうなるか注視したいと思います。
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